採用費用は何にいくらかかるか。1人あたりで考えない理由
採用費用を「1人あたりいくら」でまとめると、判断を誤ります。求人広告の運用と人材紹介では、同じ1人でも桁が変わるためです。本記事では、手段ごとに単価を並べる方法と、予算を配分するときに見る3つを解説します。
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エンジニアが採用サイトで最も知りたい情報は、技術ではなく「業績情報」でした(ベイジ調べ・37.15%)。本記事では、IT企業の採用サイトが同じ項目で似通う理由と、事業とエンジニアの仕事をつなげて差をつける方法を解説します。
IT企業の採用サイトとは、エンジニアをはじめとする技術職の方が、応募の前に「この会社の事業は伸びるか」「ここで働く人はどうか」を確かめに来る場所です。
ところが実際には、技術スタックの一覧、フラットな組織、リモート可、社員インタビューと、同じ項目が同じ順番で並んでいることが少なくありません。
本記事では、中途のエンジニア採用を中心に、IT企業の採用サイトが似通う理由と、差をつける一点を解説します。
採る側の競争は、しばらく続く見込みです。
経済産業省の試算では、IT需要が高い伸びで推移した場合、2030年にIT人材が最大で約79万人不足するとされています。
直近の数字も同じ向きです。マイナビが2026年8月に中途採用担当者845名へ行った調査では、業種別の中途採用活動実施率は「IT・通信・インターネット」が58.1%で最多でした。
2位は医療・福祉・介護の55.0%です。
出典:マイナビ「2026年8月度 中途採用・転職活動の定点調査」(2026年)
採りたい会社がいちばん多い業種です。そのなかで、エンジニアの方は複数の会社を並べて見ています。
株式会社ベイジが2025年に、過去5年以内に転職活動をしたITエンジニア1,154名へ行った調査では、2〜5社にエントリーした方が54.68%でした。
エントリー先を転職活動の前からすべて知っていた方は18.8%で、残りの8割は活動の途中で会社を知っています。
出典:株式会社ベイジ「エンジニアの転職実態調査(2025年版)」(2025年)
知らなかった会社を、何社か並べて比べる。その場面で、採用サイトが似ていると、比べる材料が残りません。

同じマイナビの調査では、採用情報を発信する専用コンテンツを活用している企業が約8割でした(「活用している」49.7%、「一部活用している」33.9%)。
専用コンテンツがある企業に、求職者の反応がよくなったと感じる施策を聞くと、1位は「採用ホームページ」で45.8%(回答者708名)です。
出典:マイナビ「2026年8月度 中途採用・転職活動の定点調査」(2026年)
ほとんどの会社が作っていて、効いている実感もある。だからこそ、作り方が似てきます。
弊社がこれまで拝見してきた範囲では、理由はおおむね次の3つだと感じております。調査の数字ではなく、弊社の実感です。
結果として、次のような項目が並びます。
| よく並ぶ項目 | 他社と並べたとき |
|---|---|
| 技術スタックの一覧 | 同じ言語が並ぶ |
| フラットな組織・裁量 | どの会社にもある |
| リモート・フレックス | 条件の比べ合いになる |
| PCに向かう社員の写真 | 見分けがつかない |
どれも必要な情報です。問題は、ここで終わっていることです。同じ項目だけで比べられると、残るのは給与や勤務条件の差になります。

同じベイジの調査には、エンジニアの方が採用サイトに何を求めているかも出ています。
採用サイトで知りたい情報の1位は「業績情報」で37.15%でした。「募集要項」36.32%、「企業情報」31.47%が続きます。
調査元は、一般的な職種では募集要項が最多になることが多い、と述べています。エンジニアでは、そこが入れ替わっています。
企業を選ぶ基準では、「技術スタック」は27.3%で6番目でした。上位は「勤務地」39.17%、「給与」35.62%、「得意領域・強み」34.4%です。
出典:株式会社ベイジ「エンジニアの転職実態調査(2025年版)」(2025年)
同じ調査では、1社で働く期間を5年以内と想定している方が62.73%でした。
次の転職のときにも、ここでの経験が評価されるか。そのためには、事業が伸びている必要があります。業績を知りたがるのは、自分の5年後を見ているからだと考えております。
技術の話を減らす必要はありません。足りていないのは、事業の話のほうです。
技術スタックや働き方は、どの会社も書いています。一方で、「この事業がなぜ伸びるのか」「そこでエンジニアが何を作るのか」は、その会社にしか書けません。
弊社では、これを3つの形に分けて採用サイトに落とし込んでいます。
売上の数字をそのまま並べるだけでは、仕事との距離が分かりません。
何が伸びていて、そのために次に何を作るのかまで書くと、読む方が自分の役割を思い浮かべられます。
技術スタックの一覧の横に、その技術で、誰のどんな困りごとを解いているかを添えます。
社員インタビューも同じです。使っている言語や1日の流れだけでなく、「担当している機能が、事業のどこに効いているか」まで聞くと、他社と同じ記事にはなりません。
株式会社モリカトロン様の事例では、エンジニア採用を中心に据えたコーポレートサイトのリニューアルで、「エンタメAI」という事業の独自性を見た目から伝えることを優先しました。
同じ調査で、エンジニアが好む採用サイトの1位は「具体的な情報が多い」33.94%、2位は「都合の悪い情報も正直にのせている」33.03%でした。
また、転職時の情報源の1位は「企業口コミサイト」38.56%で、「採用サイト」34.14%を上回っています。
出典:株式会社ベイジ「エンジニアの転職実態調査(2025年版)」(2025年)
採用サイトに書かなくても、良くない話は別の場所で読まれています。それなら、課題と、いまどう直しているかをセットで載せたほうが、信用につながりやすいと考えております。
入社前に何を開示するかは「採用のミスマッチを防ぐには。入社前に開示する3つのこと」にまとめています。

差をつけるには、項目を増やすより、事業の話を足すほうが効きます。
同業の会社を参考にするときの注意は「中小企業の採用サイトが、大手の真似をすると失敗する理由」でも扱っています。
業種によって、見られるところは変わります。製造業の場合は「製造業の採用サイトは何を変えればいい?若手が見ているところ」をご覧ください。
Q. IT企業の採用サイトに、技術スタックは載せなくてもいいですか
A. 載せたほうがよいと考えております。エンジニアの方にとっては前提の情報で、無いと探す手間が増えます。ただ、一覧だけで終わらせず、その技術で何を解いているかを添えると、他社との違いが出ます。
Q. 業績を公開していない会社は、採用サイトに何を書けばいいですか
A. 金額でなくても、事業の先行きを判断する材料は出せます。顧客数の推移、新しく始めた事業、次の1年で作るものなどです。どこまで出すかを社内で先に決めておくと、制作の途中で止まりにくくなります。
Q. エンジニア向けの採用ページは、全職種の採用サイトと分けたほうがいいですか
A. 募集の中心がエンジニアであれば、分けるか、少なくとも専用の入口を作ったほうが読みやすくなります。知りたい情報が業績や事業計画に寄っている点が、ほかの職種と違うためです。
ただ、採用の規模や、公開後に更新できる体制によって変わります。
本記事のように「自社の採用サイトが、同業他社と同じに見える」「エンジニアに事業の話をどう伝えればいいか分からない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。
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