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Sep 16,2026

INDIGが考える採用ブランディングとは。一般的な定義との違い

採用ブランディングとは、自社で働くことの実態を言語化し、社内と社外に同じ内容で伝え続ける取り組みです。一般的な「魅力を発信する」という定義との違いと、弊社が最初に決めている3つのことを解説します。

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採用ブランディングとは、自社で働くことの実態を言語化し、社内と社外に同じ内容で伝え続ける取り組みです。

一般には「自社の魅力を発信して、認知と応募を増やす取り組み」と説明されることが多い言葉です。弊社もその大枠には同意しております。

ただ一点だけ、違う考えを持っています。魅力をつくるのではなく、すでにある実態を言葉にするところから始めるという点です。

なお本記事で扱うのは、言語化と、それを伝わる形にするところまでです。選考プロセスの設計や求人媒体の運用は弊社の範囲外のため、ここでは扱いません。

本記事では、一般的な定義を整理したうえで、弊社の考えとの違いと、案件の最初に決めている3つのことを解説します。

一般的な「採用ブランディング」の定義

多くの場合、採用ブランディングは次の3つをまとめた言葉として使われています。

内容
認知自社を知っている人を増やす
理解事業や働き方を正しく伝える
共感価値観に合う人に応募してもらう

どれも必要なことです。弊社が関わるのも、主にこの3つの領域になります。

ただ、この定義には「何をつくるのか」が入っていません。そのため、依頼する側と受ける側で、思い描くものがずれることがあります。

定義がばらつくと、採用の入口で詰まる

人事の課題として、採用が一番上にある

株式会社日テレHR総合研究所が2026年6月に人事担当者1,204名へ行った調査では、人事の課題として最も多かったのは「採用」で26.4%でした。次が育成の21.8%で、この2つで全体のおよそ半分を占めています。

出典:株式会社日テレHR総合研究所「2026人事課題・世論調査」(2026年)

そして、いまのやり方では足りていない

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが2026年2月に、従業員100名以上で毎年新卒採用を行う企業の人事779名へ行った調査では、計画人数の達成に苦戦している企業が約6割、今のやり方を変える必要があると答えた人が約3分の2でした。

出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「企業の新卒採用実態調査2026」(2026年)

一方で、新卒採用を続けることが会社の発展にとって重要だと考える人は約4分の3います。

やめたいわけではなく、やり方を変えたい。そういう状態だと読んでおります。

ここで「採用ブランディングをやろう」となったとき、言葉の意味が人によって違うまま進むと、打ち手がばらけます。発信量を増やす話になる方もいれば、デザインを整える話になる方もいます。

弊社は「魅力をつくること」だとは考えていません

伝わっていないのは、魅力ではなく実態

株式会社ファングリーが2026年1月に求職者412名へ行った調査では、企業が出す情報だけでは実態が分からないという理由で、応募や内定承諾を見送った経験のある求職者が46.1%でした。

出典:株式会社ファングリー「【2026年版】採用広報に関する意識調査」(2026年)

足りていないのは魅力の量ではなく、実態の解像度です。

魅力を足そうとすると、どうしても良い面だけを並べる形になります。すると、いちばん知りたいところが抜けたまま出てしまいます。

入ったあとに、答え合わせが起きる

厚生労働省が2025年に公表した調査では、令和4年3月に卒業した新規大学卒就職者の、就職後3年以内の離職率は33.8%でした。前年度から1.1ポイント下がっています。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年)

離職の理由はさまざまで、採用時の伝え方だけで説明できるものではありません。

ただ、入口で伝えた内容と中の実態がずれていれば、入ったあとに気づかれます。採用ブランディングが効いたかどうかは、応募が増えた時点ではまだ分かりません。

実態を言葉にすると、社内が先に揃う

社外に出す言葉を決める作業は、社内の認識を揃える作業でもあります。

「うちはどういう会社か」を1文にしようとすると、人によって答えが違うことが分かります。揃っていないまま出すと、面接での説明もばらつきます。

社内が揃っていないと採用で何が起きるかは、インナーブランディングが採用に効く仕組みに書いております。

弊社がやること、やらないこと

考え方の違いは、担当する範囲にもそのまま出ます。

内容
やること働く価値を4つの軸で言葉にする
本当に活躍している人の中心像を決める
言葉を色・質感・モチーフへ翻訳する
やらないこと根拠のない見た目の整え直し
自社の文脈を無視した他社の模倣

4つの軸とは、仕事内容・人と文化・報酬と待遇・成長環境です。この4つを埋めていくと、「うちには何も無い」と言っていた会社ほど出てきます。

弊社が案件の最初に決めている3つのこと

1. デザインの話より先に、言葉を決める

色やレイアウトから話し始めると、議論が行ったり来たりします。好みの問題と、伝わるかどうかの問題が混ざるためです。

そのため弊社では、誰に何を伝えるかを文章で固めてから、ビジュアルに落とします。

このとき使うのが、さきほどの4つの軸です。「挑戦」「成長」「アットホーム」で止まらないよう、5W1Hの問いに答えていただく形で具体を引き出します。

言葉が決まっていれば、色や写真も「その言葉に合っているか」で判断できます。

2. 全員に向けて書くのをやめ、1人に決める

誰にも嫌われない言葉は、結局だれも動かしません。新卒も中途も職種も1ページでまとめて伝えようとすると、メッセージが薄まります。

そこで弊社では、中心になる1人を決めてから書きます。その1人に研ぎ澄ますと、周辺にいる似た方にも届きます。

構成は2段に分けることが多いです。

役割トーン
採用トップページ誰が見ても迷わない入口整然と、プレーンに
職種別のページ実際に応募を決める場所1人に向けて尖らせる

この分け方には、もう1つ理由があります。現場の方と尖らせすぎたものは、役員の確認でひっくり返ることがあります。

トップは役員の方も納得できる形にしておき、下層で尖らせる。そうすると、社内の確認を通しながら、届けたい人にも届きます。

ただし、必ず2段にするという話ではありません。営業と事務でページが分かれている会社もあれば、1ページにまとめている会社もあります。いまのサイトの構造や、募集している職種の数によって変わります。

分けたほうがよいのは、職種によって求める人物像がはっきり違うときです。似た方を採る職種であれば、無理に分ける必要はありません。

ページを増やすと、公開したあとの更新の手間もその分増えます。続けられる本数かどうかも、あわせて見ていただくことをおすすめしております。

3. 大変なところも、正直に書く

良いことだけを並べると、合わない方も応募してこられます。選考の途中で辞退が出たり、入社後に「思っていたのと違う」が起きたりする原因は、ここにあることがあります。

そのため弊社では、仕事の大変さや、求める覚悟も書くことをご提案しています。書かないほうが応募は増えますが、その先で減ります。

ただし、書き方には注意が必要です。

伝え方
✕ 避ける求職者の方を脅かす、重いだけのトーン
◯ 目指す大変なことも前向きに楽しめる、という熱量

「デザインが暗い」「厳しすぎないか」と社内から意見が出るときは、たいてい前者になっています。

そういうときは色や写真を直すのではなく、トップに置く一文まで戻って、読んだ方にどんな気持ちになってほしいかを揃え直します。

まとめ

一般的な定義と、弊社の場合を並べると次のようになります。

一般的な定義弊社の場合
何をつくるか伝わる魅力もうあることの、言葉
何から始めるか発信の計画社内で言葉を揃える
誰に向けて書くか来てほしい人たちその中心にいる1人
何を書くか魅力が伝わること大変なところも含めて
うまくいったか応募が増えたか合う人が来たか

左が間違っている、という話ではありません。どちらも必要なことで、順番と、どこに時間をかけるかが違うだけです。

弊社は、魅力を足すより先に、すでにあるものを言葉にするところから始めています。

弊社では、株式会社ZENRYOKU様のコーポレートサイトのように、理念や社内の空気をどう言葉とデザインに落とすかからご一緒することがあります。社内で進まないときの見方は採用ブランディングが失敗するとき、社内で何が起きているか、他社の事例の読み解き方は採用ブランディングの成功事例を、自社で再現できる形に分解するには?もあわせてご覧ください。

よくいただくご質問

Q. 採用ブランディングと採用広報は、何が違うのですか。

A. 弊社では、採用ブランディングを「何を言うかを決めること」、採用広報を「決めたことを出し続けること」として分けて考えております。順番としては前者が先ですが、実際には出しながら直していく形になることが多いです。

Q. 採用ブランディングは、知名度のある会社でないと意味がないのでしょうか。

A. そうは考えておりません。知名度が高くない会社ほど、判断に必要な情報が揃っているかどうかで見られます。むしろ実態を具体的に書けることが強みになります。

Q. 大変なところを書くと、応募が減ってしまいませんか。

A. 応募の数は減ることがあります。ただ、弊社では減ってよい部分だと考えております。選考の途中で辞退が出る場合や、入社後に「思っていたのと違う」が起きる場合、その多くは入口で伝えていなかったことが原因です。数より、合う方に届いたかどうかで見ていただければと思います。


本記事のように「採用ブランディングという言葉の意味が、社内で揃っていない」「何から手をつければよいか分からない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

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