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Sep 17,2026

インナーブランディングの施策が形骸化する理由と、続けるために決めておくこと

施策をやっている会社は約9割ある一方で、理念が十分に共有されていると答えた人は13.3%でした。差は内容ではなく、続いている期間にあります。本記事では、形骸化する理由と、形だけにしないために決めておく3つのことを解説します。

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インナーブランディングの施策が形骸化するとは、社内へ伝える取り組みだけが残り、社員の言葉や行動が変わらない状態のことです。

クレドカードを配った。社内報を作った。全社集会も開いた。それでも半年後には、誰も内容を覚えていない。こうしたご相談をいただくことがあります。

施策そのものの選び方は今更聞けない、インナーブランディングってなんだっけに整理しております。

本記事では、その施策が形だけになる理由と、続けるために決めておくことを3つに分けて解説します。

施策はやっている。届いていないだけ

株式会社揚羽が2025年8月から9月にかけてビジネスパーソン75名へ行った調査では、次の結果が出ています。

割合
理念やパーパスを明文化している88%
浸透の施策を実施している50.7%
一部のみ実施している38.7%

出典:株式会社揚羽「”人的資本経営時代”におけるインナーブランディング実態調査」(2025年)

明文化はほぼ済んでいて、施策も9割近くが何かしら行っています。

問題はその先です。同じ調査で、理念が従業員に「十分に共有されている」と答えた人は13.3%でした。一方で「あまり共有されていない」は30.7%です。

取り組みの効果を「あまり感じない」と答えた人も29.3%いました。

やっていないから伝わっていないのではありません。やっているのに届いていない、という状態です。

形だけになっている施策に共通すること

弊社がご一緒した範囲では、止まる施策にはいくつか共通することがありました。

参加させることが、いちばん難しい

『月刊総務』が2024年6月に178名へ行った調査では、社内コミュニケーションに課題があると答えた企業(151名)のうち、解決が難しい課題として最も多かったのが「社員の参加意識の醸成」で63.5%でした。

出典:『月刊総務』「社内コミュニケーションに関する調査」(2024年)

施策を作ることより、参加してもらうことのほうが難しい。現場の実感とも合う結果だと感じております。

経営と社員のあいだが、いちばん空いている

HR総研が2026年1月から2月にかけて企業の人事239件へ行った調査では、社内コミュニケーションに課題がある関係として、「経営層と社員」が中堅企業で71%、中小企業で67%と高い数字になりました。

出典:HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2026」(2026年)

理念を伝える施策は、たいてい経営から社員への一方通行になります。いちばん空いているところを、一方通行で埋めようとしている形です。

続いている会社との差は、期間でした

同じHR総研の調査で、はっきりした差が出ている項目があります。

取り組みの期間
コミュニケーションが活発な企業43%が5年以上続けている
活発でない企業47%が1年未満

エンゲージメントにも差が出ています。活発な企業では高いと答えた割合が49%、活発でない企業では低いと答えた割合が68%でした。

内容の差ではなく、続いた年数の差です。

3年目の社内報と、1年目の社内報では、書いてあることが同じでも受け取られ方が変わります。続いていること自体が、その会社の姿勢として読まれるためです。

逆に言えば、途中でやめた施策は、やらなかったよりも悪い印象を残します。

形だけにしないために決めておく3つのこと

1. 数を増やす前に、1つを続けられる形にする

最初に決めるのは、何をやるかではなく、何なら止まらないかです。

社内報・全社集会・表彰制度を同時に始めると、だいたい半年で1つになります。残った1つも、義務感で回る形になります。

弊社では、最初は1つに絞って、担当の方の負荷が上がりすぎない分量まで削ることをご提案しています。

2. 発信するより、社員の言葉を集める形にする

経営から社員への発信だけでは、参加する理由が生まれません。

集めたものを載せると、載った人とその周りが読みます。読む理由が、内容ではなく関係から生まれます。

集める人と載せる人は分けておくと続きます。同じ方が両方やると、両方止まります。

3. 経営が出る場を、回数で決める

「経営が理念を語る」だけでは、いつのまにか無くなります。

年に何回、どの場で出るかを先に決めておきます。回数で決めておくと、忙しさとは切り離して残せます。

そのとき伝える側だけでなく、現場の話を聞いて返す時間も同じだけ取ることをおすすめしております。往復にしておかないと、翌年には出席率が落ちます。

まとめ

形だけになる施策と、続く施策の違いを整理すると次のようになります。

形だけになる続く
始め方同時に何本も1本だけ、小さく
中身の作り方経営から発信する社員から集める
経営の関わり方気が向いたときに回数を決めて

内容で差がつくのは、続いたあとの話です。まず止まらない形にするところからになります。

社内が揃っていないと採用で何が起きるかはインナーブランディングが採用に効く仕組み、社外に出す言葉の決め方はINDIGが考える採用ブランディングとは。一般的な定義との違いもあわせてご覧ください。

よくいただくご質問

Q. インナーブランディングの施策は、どれくらい続ければ効果が出ますか。

A. 年単位で考えていただくことをおすすめしております。HR総研の調査(2026年)では、社内コミュニケーションが活発な企業の43%が5年以上続けており、活発でない企業は47%が1年未満でした。半年で判断されると、ほとんどの施策が失敗に見えてしまいます。

Q. 社内報とクレドカードは、どちらから始めるとよいですか。

A. どちらが良いかより、担当の方が続けられるほうを選んでいただくのがよいと考えております。社内報は毎回の材料集めが必要で、クレドカードは配ったあとの使い方を決めておく必要があります。手元にある材料が多いほうから始めるのが現実的です。

Q. 一度止まってしまった施策は、再開しないほうがよいでしょうか。

A. 再開して問題ないと考えております。ただし、止まった理由を先に確かめてからのほうが安全です。担当や材料の問題が残っていると、同じところでまた止まります。前回より小さい形で戻すのが現実的です。


本記事のように「施策はやっているが、社内が変わった実感がない」「始めた取り組みが続かない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

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