中小企業の採用サイトが、大手の真似をすると失敗する理由
大手の採用サイトは知名度を前提に作られているため、そのまま真似ても中小企業では機能しません。知名度が高くない企業が選ばれる条件の上位は「納得できる情報」。本記事では、真似る代わりに決めておく3つのことを解説します。
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採用動画の費用に見合うかは、金額ではなく伝えたい内容で決まります。Z世代が動画に不満を感じる理由の1位は「良い面ばかりで広告的」。本記事では、写真とテキストで足りる場合と、動画が要る場合の分け方を3つ解説します。
採用動画の費用が見合うかどうかを決めるのは、金額ではなく、伝えたい内容が動きを必要とするかどうかです。
採用サイトの制作でご相談をいただくとき、動画を入れるかどうかは必ず論点になります。予算の大きい項目なので、迷われるのは当然だと感じております。
なお本記事で扱うのは、採用サイトに載せる動画です。TikTokやInstagramなどのSNSに出す短い動画は、費用の幅も作り方も別のものになるため、ここでは扱いません。
本記事では、動画が実際にどこまで効いているのかを調査データで確認したうえで、写真とテキストで足りる場合と動画が要る場合の分け方を3つに分けて解説します。

先にお断りしておくと、採用動画の費用について公的な統計は見当たりませんでした。
制作会社各社が公開している料金表を見ると、おおむね次の幅に収まります。
この数値は制作を受注する側が公開しているもので、第三者による調査ではありません。
集計の対象件数や期間も公開されていないため、幅のある目安として見てください。
金額の幅が大きいのは、撮影日数と登場人数で変わるためです。同じ「採用動画」でも、作るものが違えば10倍以上の差が出ます。

株式会社ゴマシオカンパニーが2026年4月に、新卒採用を経験した既卒者と就職活動中の学生500名へ行った調査では、採用動画を「必ず見る」「できるだけ見る」と答えた学生が67.5%でした。興味のある企業に限れば、視聴率は95.8%にのぼります。
出典:株式会社ゴマシオカンパニー「新卒採用サイトに関する調査」(2026年4月)
アルファノート株式会社が2026年8月に、採用で動画を活用している人事担当者158名へ行った調査では、75.3%が効果を感じたと回答しました(期待以上が19.0%、ある程度が56.3%)。
出典:アルファノート株式会社「採用での企業ブランディング動画に関する実態調査」(2026年8月)
ただし、これはすでに動画を使っている企業への調査です。使ってやめた企業は対象に入っていないため、効果ありに寄りやすい点は差し引いて見る必要があります。
同じ調査で、効果の内容を見ると順位がはっきり分かれています。
| 効果の内容 | 割合 |
|---|---|
| エントリー数が増加した | 57.1% |
| 認知度・ブランドイメージが向上 | 50.4% |
| 面接や説明会での理解度が深まった | 45.4% |
| 早期離職が減少した | 16.8% |
| 内定辞退が減少した | 15.1% |
上位は応募の数、下位は入社後の質です。動画は入口を広げる働きはしても、ミスマッチを減らすところまでは届きにくい、と読めます。
応募の数が足りていない会社には効きます。一方で、応募は来ているが合う人が来ないという状態には、動画の費用は見合いにくいと考えております。
MIL株式会社が2026年7月に、就職活動を経験したZ世代1,003名へ行った調査では、採用動画への不満の1位が「良い面ばかりが強調され、広告的に感じる」で24.3%でした。
出典:MIL株式会社「Z世代の採用動画に関する調査」(2026年7月)
同じ調査で、期待することの1位は「説明が分かりやすく、内容を理解しやすいこと」で36.8%、3位が「短い時間で要点がまとまっていること」で30%でした。
求められているのは完成度ではなく、分かりやすさと短さです。予算をかけて演出を厚くするほど広告に近づくため、費用と満足度が逆に動くことがあります。
動画でしか伝わらないのは、時間の経過があるものです。作業の手順、機械が動く様子、現場の音や速さ。ここは写真では代わりになりません。
一方で、仕事内容、条件、一日の流れといった情報は、文章と写真のほうが速く正確に伝わります。読む側が自分のペースで確認でき、あとから見返すこともできます。
先ほどの調査で「再生前に動画の長さを確認する」と答えた学生が36.7%いました。情報を文章で置いておけば、そもそも再生するかどうかを迷わせずに済みます。
同じ調査では、不満の3位に「見たい動画をどこで見られるのか分かりにくい」が19.9%で入っています。
作る前に、採用サイトのどのページの、どの位置に置くかを決めておく必要があります。置き場所が決まっていない動画は、作っても見られません。
先のアルファノートの調査でも、今後の活用シーンとして「採用サイト・採用特設ページ」が45.6%で最も多く挙がっていました。動画単体ではなく、サイトの中でどう見せるかまでが設計の範囲だと考えております。
動画は写真や文章より、直すときの負担が大きい項目です。社員が退職した、事業内容が変わったというときに、文章なら書き換えられますが、動画は撮り直しになります。
数年そのままになった動画は、社内の実態と合わなくなり、かえって古い印象を与えます。更新の予定が立たない場合は、写真とテキストで組むほうが長持ちします。

判断の目安を整理すると、次のようになります。
| 写真とテキスト | 動画 | |
|---|---|---|
| 向いている内容 | 仕事内容・条件 | 動きのある作業 |
| 読む側の負担 | 自分のペースで読める | 時間を取られる |
| 更新のしやすさ | 書き換えるだけ | 撮り直しになる |
費用に見合うかどうかは、金額の大小ではなく、この表のどちら側に自社の伝えたいことがあるかで決まります。動きのないものを動画にすると、費用をかけた分だけ広告らしくなってしまいます。
弊社では、株式会社Sumzap様のコーポレートサイトのように、採用の課題からサイトの構成を見直す形でご一緒することがあります。何を載せるかの考え方は中小企業の採用サイトが、大手の真似をすると失敗する理由、社内で決まらないときの見方は採用ブランディングが失敗するとき、社内で何が起きているか、閲覧環境の確認については「採用サイトはスマホでも見られている」という前提を、一度確認したほうがいい理由もあわせてご覧ください。
Q. 採用動画は何分くらいがよいですか。
A. 長さより、要点がどこにあるか分かることのほうが重視されています。調査でも「分かりやすさ」が期待の1位で、「短さ」は3位でした。短く切り詰めるより、何が入っている動画なのかをタイトルや前後の文章で示すほうが、再生してもらいやすくなります。
Q. 社員が自分で撮った動画でも大丈夫でしょうか。
A. 内容によっては、そのほうが合う場合があります。不満の1位が「良い面ばかりで広告的に感じる」であることを踏まえると、作り込みすぎない映像のほうが伝わることもあります。ただし音声が聞き取れない、手ぶれが激しいといった場合は、内容以前に見てもらえません。
Q. 動画と採用サイト、どちらを先に作るべきですか。
A. 採用サイトを先にすることをおすすめしています。動画は置き場所が決まっていないと見られないためです。サイトの構成が決まると、どこに何分の動画が必要かも決まるので、見積もりの精度も上がります。
本記事のように「採用動画にどこまで費用をかけるべきか判断がつかない」「作った動画が見られているのか分からない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。
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