中小企業の採用サイトが、大手の真似をすると失敗する理由
大手の採用サイトは知名度を前提に作られているため、そのまま真似ても中小企業では機能しません。知名度が高くない企業が選ばれる条件の上位は「納得できる情報」。本記事では、真似る代わりに決めておく3つのことを解説します。
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採用ブランディングが空回りする原因の多くは、発信の内容ではなく社内にあります。人事の課題1位は採用で26.4%、一方で社内コミュニケーションの最大の課題は部門間の連携。本記事では、空回りしているときに社内で起きている3つのことを解説します。
採用ブランディングが失敗する原因の多くは、発信の内容ではなく、社内で伝える中身が決まっていないことです。
うまくいっていないご相談をいただくとき、話を伺うと、採用サイトや発信そのものより手前で止まっていることが少なくありません。
本記事では、なぜ社内側で失敗が起きるのかを調査データで確認したうえで、空回りしているときに社内で起きていることを3つに分けて解説します。

採用は、人事の課題のなかでも最も大きなものとして挙がっています。
日テレHR総合研究所が2026年6月に人事担当者1,204名へ行った調査では、課題として最も多かったのは「採用」で26.4%でした。2位の育成(21.8%)を上回っています。
出典:日テレHR総合研究所「2026人事課題・世論調査」(2026年6月)
なお、この調査は展示会の来場者に会場で伺ったものです。その時点で採用に関心が高い方に偏っている可能性がある点は、差し引いて見る必要があります。
課題として認識され、施策も実行されている一方で、届いていないことも分かっています。
株式会社PR Table が2024年2月に人事担当者・責任者428名へ行った調査では、大企業の課題の3位に「制作してもターゲットに届いていない」が入っています。
出典:株式会社PR Table「採用ブランディングにおける取り組み実態調査」(2024年2月)
予算も人手もある会社が、同じ施策を実行しても届いていない。この差は、社外に出す前の段階で生まれていることが多いと感じております。
ProFuture株式会社/HR総研が2026年1月から2月にかけて人事責任者・担当者239名へ行った調査では、社内コミュニケーションの最大の課題として部門間のコミュニケーションが挙がりました。
| 企業規模 | 部門間を課題に挙げた割合 |
|---|---|
| 中堅企業 | 71% |
| 大企業 | 69% |
| 中小企業 | 62% |
出典:ProFuture株式会社/HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2026」
規模を問わず6割を超えています。採用ブランディングは人事だけで完結する取り組みではないため、ここが詰まると、外に出す内容も決まりません。

先ほどの部門間コミュニケーションの数字が、そのまま表れる場面があります。
社員インタビューで現場の方が話す魅力と、人事の方が想定していた魅力が、噛み合わないことがあります。どちらも嘘ではありません。見ている範囲が違うだけです。
この状態のまま採用サイトを作ると、載っている社員の声と、募集要項に書かれた内容の方向が揃いません。読む側は、どちらを信じればよいか分からなくなります。
発信を作り始める前に、現場の管理職の方1〜2名に、人事と同じ質問を投げてみるところから始めると、ずれの大きさが分かります。揃わない部分を無理に揃える必要はなく、そこを外に出さない判断ができれば十分です。
進まない理由が、意思ではなく体制にあることもあります。
パーソル総合研究所が2026年3月に、従業員300名以上の企業に勤める係長以上および経営層2,000名へ行った調査では、人事部門の課題として次が挙がっています。
出典:パーソル総合研究所「人事部トレンド定量調査2026」(2026年3月)
3つ目が効いています。採用ブランディングは、いま起きている問題への対処ではなく、先に効かせるための取り組みです。守りを優先する状態では、どうしても後回しになります。
先のPR Tableの調査でも、課題の1位は中堅企業・大企業ともにリソース不足でした。中堅企業では53%が挙げています。
対処としては、関わる人を増やすより、決める人を1人決めるほうが現実的です。関係者が増えるほど、部門間の調整そのものが仕事になってしまいます。
同じPR Tableの調査では、課題の2位に「分析ができていない」が挙がっています。中堅・大企業のどちらも同じ順位です。
測る前提が無いまま始めると、続けるかどうかを判断できません。応募数だけを見ていると、採用ブランディングが効く部分がほとんど見えないという問題もあります。
始める前に、次のような指標を2つほど決めておくと判断しやすくなります。
3つ目は選考の運用側の数字なので、弊社のような制作側では手が届きません。人事の方の側で追っていただく形になります。

空回りしているときのサインと、その裏で起きていることを整理します。
| 表に出るサイン | 社内で起きていること |
|---|---|
| 社員の話がばらける | 人事と現場でずれている |
| 決定が前に進まない | 決める人が決まっていない |
| 続けるか迷い始める | 測る指標が無い |
どれも、社外に出す内容を良くしても解決しません。採用ブランディングは社内の合意を外に出す取り組みなので、合意の側が空のままでは、出てくるものも増えません。
弊社では、株式会社Delight様のコーポレートサイトのように、社内にある社風を可視化して採用の強化まで繋げる形でご一緒することがあります。社内浸透と採用の関係はインナーブランディングは採用にどう効く?社内の言葉が揃っていないと起きること、事例の読み解き方は採用ブランディングの成功事例を、自社で再現できる形に分解するには?、依頼先の選び方は採用ブランディング会社の選び方。HR系と制作系で何が違うのかもあわせてご覧ください。
Q. 採用ブランディングと採用広報は、何が違いますか。
A. 採用ブランディングは、誰に何を伝えるかを決めるところまでを含みます。採用広報は、決まった内容を継続して発信していく活動を指すことが多いです。順番としては、ブランディングで決めた内容を広報で出していく形になります。
Q. 現場が採用に協力してくれない場合は、どうすればよいですか。
A. 協力の依頼より先に、何のために採用するのかを共有するほうが進みやすいです。現場からすると、採用は自分の業務が増える話に見えていることがあります。弊社でご一緒する場合も、社内向けに何を伝えるかの整理から入ることがあります。
Q. 一度失敗した採用ブランディングを、立て直すことはできますか。
A. できます。ただし、作ったものを作り直すところから始めないほうがよいと考えております。まず、どこで止まったのかを社内で確認するところからです。決める人が不在だったのか、伝える内容が揃っていなかったのかで、次にやることが変わります。
本記事のように「採用ブランディングを始めたが、社内でなかなか話が進まない」「採用サイトを作ったのに、応募の質が変わらない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。
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