Back to top
top > news > blog > 採用ブランディングの成功事例を、自社で再現できる形に分解するには?

blog

Sep 8,2026

採用ブランディングの成功事例を、自社で再現できる形に分解するには?

採用ブランディングの成功事例から持ち帰るべきものは、実施した施策ではなく、その前に何を決めたかです。事例集を読んでも自社に活かせないのは、順番が逆になっているためです。本記事では、事例から抽出すべき3つのことを解説します。

Contents/headline

採用ブランディングの成功事例から持ち帰るべきものは、実施した施策ではなく、その施策を選ぶ前に何を決めたかです。

事例集を読んでも自社に活かせない、というご相談をいただくことがあります。書かれているのは「何をしたか」であって、「なぜそれを選んだか」ではないためです。

本記事では、事例をそのまま真似ても再現できない理由を整理したうえで、何を抽出すればよいかを3つに分けて解説します。

なぜ成功事例をそのまま真似ても再現できないのか

株式会社PR Table が2024年2月に人事担当者・責任者428名(中堅企業216名、大企業212名)に行った調査では、採用ブランディングに取り組んでいる企業は大企業で57.5%、中堅企業で38.4%でした。

出典:株式会社PR Table「採用ブランディングにおける取り組み実態調査」(2024年2月)

同じ調査で、施策として採用サイトを制作している企業は大企業・中堅企業ともに6割以上にのぼります。つまり、多くの会社が同じ施策を選んでいます。

注目したいのは課題のほうです。

順位中堅企業大企業
1位リソースが足りない(53%)リソースが足りない(45%)
2位分析ができていない分析ができていない
3位ノウハウがない制作してもターゲットに届いていない

大企業の3位に「制作してもターゲットに届いていない」が入っている点が重要です。

予算も人手もある会社が、事例と同じ施策を実行しても届いていない。ここに、施策だけを移植することの限界が表れています。

事例に書かれている「採用サイトを作った」「社員インタビューを載せた」は結果です。その手前に、誰に向けて、何を伝えると決めた判断があります。移植すべきはそちらのほうです。

事例から何を抽出すればよいか

1. 施策ではなく、その前に「誰に向けるか」をどう決めたかを見る

事例を読むときに最初に探すべきは、その会社が採用したい人をどこまで絞ったかです。

うまくいっている事例は、ほぼ例外なく対象が狭くなっています。「若手全般」ではなく「他社で3年やってきて、裁量のなさに詰まっている人」といった粒度まで下りている。対象が狭いから、伝える内容が決まります。

逆に、事例の記事に対象が書かれていない場合、そこは読み取れません。書かれていない部分こそが再現の鍵なので、対象が曖昧な事例は参考にしないほうが早いです。
判断の材料として、いま何が不足しているかも見ておきます。マイナビの調査では、正社員に不足感がある企業は40.1%である一方、求めるスキルを持つ人がいないという質的な不足は55.6%で、前年から6.7ポイント上昇しています。

出典:マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」

人数の不足より、合う人が来ないことのほうが大きい。だからこそ、対象を絞る判断が効きます。

2. 自社と条件が近い事例だけを選ぶ

事例集には規模も業種もばらばらの会社が並びます。ここで、条件の違いを無視して施策だけを見ると再現できません。

見るべき条件は3つです。

先ほどの調査で実施率が大企業57.5%・中堅38.4%と差が開いていた背景にも、課題1位が両者とも「リソースが足りない」であることが関係しています。中堅企業では53%が人手不足を課題に挙げており、大企業と同じ量の施策は前提として実行できません。

条件が違う事例からは、施策ではなく考え方だけを持ち帰るのが現実的です。

3. 言っていることと、やっていることが一致しているかを見る

成功事例として紹介されている会社を見るときは、発信内容と実際の制度や働き方が揃っているかを確認します。

採用ブランディングがうまくいかない典型として、社外に発信した内容と社内の実態がずれている状態が挙げられます。実態と離れた内容を出すと、入社後のミスマッチが生まれるだけでなく、既存の社員の不信感にもつながります。

この観点で参考になるのが、東京商工リサーチが2026年6月に行った企業向け調査です。定着率が高い採用方法として最も多かったのはリファラル採用の18.5%でした。

出典:東京商工リサーチ「企業の『採用』に関するアンケート調査」(2026年6月/日本経済新聞)


紹介による採用が定着しやすいのは、入社前に実際のところを聞けているためだと考えられます。社員が知人に説明できる状態になっているかどうかが、発信と実態が一致しているかの目安になります。

事例を読むときも、そこまで書かれているものを選ぶと、再現の判断がしやすくなります。

まとめ

成功事例から抽出すべきものを整理すると、次のようになります。

事例に書かれていること抽出すべきこと
採用サイトを作った誰に向けると決めたか
社員インタビューを載せたどの条件の会社がやったか
応募が増えた発信と実態が揃っているか

左側だけを真似ると再現できません。予算も人手もある大企業が、同じ施策を実行しても「ターゲットに届いていない」を課題に挙げているのは、そのためだと考えております。

弊社では、採用効率化を目指したコーポレートサイトの一新のように、採用の課題からサイトの設計を見直す形でご一緒しています。依頼先の選び方については採用ブランディング会社の選び方。HR系と制作系で何が違うのか、思い込みで設計を進めないための確認については「採用サイトはスマホでも見られている」という前提を、一度確認したほうがいい理由もあわせてご覧ください。

よくいただくご質問

Q. 採用ブランディングの成功事例は、どこで探すのがよいですか。

A. 支援会社が公開している事例に加えて、その企業の採用サイトそのものを見ることをおすすめしています。事例記事には施策しか書かれていないことが多い一方、実際のサイトを見れば、誰に向けて何を伝えているかが読み取れます。

Q. 自社に近い規模の成功事例が見つからない場合はどうすればよいですか。

A. 規模が違う事例からは、施策ではなく判断の順番だけを持ち帰るのが現実的です。誰に向けるかを先に決めてから施策を選ぶ、という順番は規模によらず共通しています。

Q. 事例と同じことをしたのに応募が増えないのはなぜですか。

A. 対象の設定が事例と異なっている可能性があります。同じ施策でも、誰に向けているかが違えば結果は変わります。まず自社が誰を採用したいのかを、職種名より一段細かい粒度で言語化してみてください。


本記事のように「事例を読んでも自社にどう活かせばよいか分からない」「同じことをしたのに結果が違う」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

Have a look at some of our other news

その他のニュースもご覧ください