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Sep 29,2026

採用コンセプトの作り方。きれいごとで終わらせない3つの手順

採用コンセプトとは、自社で働く価値を一つの言葉にまとめ、採用の判断のよりどころにするものです。本記事では、言葉がきれいごとで終わる原因と、活躍している方から引き出す3つの手順を解説します。

Contents/headline

採用コンセプトとは、自社で働く価値を一つの言葉にまとめ、採用のすべての判断のよりどころにするものです。

採用サイトの見出し、説明会で話す順番、面接で何を確かめるか。別々に決めているようでいて、どれも「うちは、どういう人に来てほしいのか」に戻ってきます。

ここが決まらないまま進めると、どれも正しいのに、どの会社にも当てはまる文章になっていきます。

本記事では、採用コンセプトについて、言葉がきれいごとで終わる原因と、活躍している方から引き出す手順を解説します。

採用コンセプトとは、何を決めるものか

採用コンセプトは、「誰に、何を約束するか」を決めるものです。採用サイトに載る見出しそのものではなく、その手前にある判断の軸にあたります。

似た言葉と混ざりやすいので、役割で分けます。

決めること出てくる形
採用コンセプト何を約束するか判断の軸
キャッチコピーどう言うか見出しの一文
採用ペルソナ誰に届けるか人物像

コンセプトとペルソナは、片方だけでは動きません。人物像の決め方については、採用ペルソナが機能しない理由と、代わりに決めるべきことで扱っています。

軸が決まっていると、細かい判断が速くなります。写真を選ぶときも原稿を直すときも、「約束していることと合っているか」で決められるためです。

なぜ、採用コンセプトはきれいごとで終わるのか

数を集めることが、先に立つため

採用の現場では、まず母数の確保が課題になります。マイナビが2025年に新卒採用の担当者3,068社へ行った調査では、採用活動の問題点として「母集団(エントリー数)の不足」が68.8%で最も多く挙がりました。

出典:マイナビ「2026年卒 企業新卒採用活動調査」(2025年)

数が先に来ると、言葉は広がります。誰が読んでも引っかからない表現が選ばれ、結果として誰の記憶にも残らなくなります。

条件で比べられていることに、気づきにくいため

求職者側が見ているものは、わりとはっきりしています。マイナビが2026年に2027年卒の大学生・大学院生37,160名へ行った調査では、企業選択のポイントとして次が挙がりました。

出典:マイナビ「2027年卒大学生就職意識調査」(2026年)

上位2つは、コンセプトでは動かしにくい条件です。だからこそ3番目の「やりたい仕事ができるかどうか」に、言葉の役割が残っています。

ここを曖昧にしたまま「風通しがよい」「若手が活躍できる」と並べると、条件で負けている会社ほど、内容のない印象だけが残ります。

入った後で、ずれが表に出るため

伝え方のずれは、入社後に現れます。エン・ジャパンが2025年に20代・30代の方929名へ行った調査では、約9割が入社後にギャップを感じた経験があると答え、転職を考える原因の上位は「職場の雰囲気」と「仕事内容」がそれぞれ34%でした。

出典:エン・ジャパン「入社後ギャップ調査」(2025年)

どちらも採用コンセプトが扱う範囲です。条件ではなく、言葉で伝えるはずだったところがずれている、と読めます。

定着の数字にも差が出ます。厚生労働省が2025年に公表した資料では、大学卒の就職後3年以内の離職率は全体で33.8%、従業員1,000人以上の事業所で27.0%、30〜99人で41.9%でした。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年)

規模が小さいほど、合う方に来てもらえたかどうかが表に出ます。八方美人の言葉が、いちばん割に合わない層でもあります。

採用コンセプトの作り方

弊社が案件に入るとき、次の順番で進めています。

1. 経歴ではなく、思考と行動の癖から共通点を探す

最初に「活躍している方」を挙げていただくと、経歴が並ぶことがよくあります。ただ、経歴でまとめようとすると、共通点が学歴や前職といった表面的なものしか残りません。

そこで、「なぜこの会社で成果が出ているのか」を聞き直します。何を面白がる方なのか、どういうときに手が動くのか、という行動の軸にあたる部分です。

担当者の方ご自身の、仕事と関係ない探究のエピソードも手がかりになります。評価のためではなく、解き明かす途中そのものを面白がっていた話が出てくると、言葉の輪郭がはっきりしてきます。

2. 大変なところも、一緒に書く

耳障りのよいことだけを並べると、入った後のずれが大きくなります。そのため弊社では、仕事の大変さや、求める覚悟にあたる部分も一緒に言葉にしていただくようにしています。

「きついけれど、その分こうなれる」という形にすると、読む側が自分で判断できます。社内から「暗い」「厳しすぎる」と声が上がることもありますが、そのときは色や表現の各論に入らず、どんな気持ちで読み終えてほしいかに戻ると揃えやすくなります。

3. 言葉を、色・質感・モチーフまで翻訳する

コンセプトは、文章のままでは現場に降りません。色、質感、象徴になるモチーフ、写真のトーンまで対応づけて、はじめて判断の軸として使えます。

ここを感覚で進めると、主観のぶつかり合いになります。「この言葉だから、この色」という筋道を残しておくと、後から入った方にも説明がつきます。

株式会社ZENRYOKU様のコーポレートサイトでは、理念と熱量を、大胆なタイポグラフィと言葉のトーンの統一で表現しました(株式会社ZENRYOKU様の事例)。

作った採用コンセプトが、社内で崩れないために

言語化そのものより、決めた後に守れるかどうかで差がつきます。弊社の経験では、次の3つで崩れることが多いです。

1つ目は、誰かが反対しているというより、社内でまだその話をしていなかっただけ、という場合があります。合意を取る相手を先に洗い出しておくと、戻りが減ります。

2つ目は、トップページを全体の入口として穏やかに保ち、職種別のページで尖らせる形にすると収まることがあります。なお職種別のページは、作る会社と作らない会社が分かれる部分なので、制作の範囲に入れるかどうかは最初に決めておくと安全です。

社内で動かなくなる仕組みについては、採用ブランディングはなぜ失敗する?社内で起きている3つのことにまとめています。

まとめ

採用コンセプトは、きれいな一文を作る作業ではなく、判断の軸を決める作業です。

弊社は採用コンセプトの言語化から、採用サイトの設計と制作までを担当しています。採用ブランディング全体の考え方は、INDIGが考える採用ブランディングとは。一般的な定義との違いをご覧ください。

よくいただくご質問

Q. 採用コンセプトと採用スローガンは、何が違うのですか。

A. 採用コンセプトは「誰に何を約束するか」を決めた判断の軸で、社外に出さないこともあります。採用スローガンは、その軸を一言で表した、外に見せるための言葉です。軸が決まらないままスローガンだけを作ると、後から言葉を足すたびに方向がずれていきます。

Q. 採用コンセプトは、新卒と中途で分けるべきですか。

A. 会社として約束する中身が同じであれば、軸は1つで問題ありません。ただし、伝わる言い方は変わります。新卒の方には入社後の成長の道筋が、中途の方には任される範囲が響きやすいため、同じ軸を保ったまま、区分ごとのページで言い換える形をとることが多いです。

Q. 採用コンセプトを作ると、どのくらいで結果が出ますか。

A. 応募数のように、すぐ動く数字ではありません。先に変わるのは、選考の途中で話が噛み合う感覚のほうです。数値で見る場合は、応募数よりも、面接まで進んだ方の割合や入社後の定着を1年単位で追うほうが、実態に近くなります。


本記事のように「自社の魅力をうまく言葉にできない」「求人の文面がどこにでもある内容になってしまう」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

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