Back to top
top > news > blog > インナーブランディングとアウターブランディング、どちらが先か

blog

Oct 5,2026

インナーブランディングとアウターブランディング、どちらが先か

どちらが先かに決まった答えはありません。順番は、外に出したい言葉を社内の人が説明できるかどうかで決まります。本記事では、順番を決める3つの質問を解説します。

Contents/headline

インナーブランディングとは社内に向けた取り組み、アウターブランディングとは社外に向けた取り組みです。どちらを先にやるかは、外に出したい言葉を社内の人が説明できるかどうかで決まります。

「まず社内から」と言われることが多い領域です。ただ、いつでもそうとは限りません。

決まった正解があるというより、いま困っているのがどちらかで変わると考えております。

本記事では、順番を決める3つの質問と、アウターから始めてよい場合を解説します。それぞれの定義と違いは「インナーブランディングとアウターブランディングの違い」で扱っています。

「どちらが先か」に決まった答えはありません

インナーが先、と説明されることが多いのは事実です。社内で共有されていない言葉は外でも使えない、という理屈です。

ただ、採用の締め切りが決まっている場合や、すでに社内の言葉が揃っている場合は、外から手をつけたほうが早いこともあります。

判断の軸は1つだけです。外に出したい言葉を、現場の人が自分の言葉で説明できるか。

できるならアウターから、できないならインナーから。順番はそこで決まります。

それでも、インナーが先になることが多い理由

実際には、インナーから始めることが多くなります。社内で言葉が共有されている会社が、思ったより少ないためです。

大伸社コミュニケーションデザインが2026年に会社員300名へ行った調査では、経営方針を「正確に説明できる」社員は20.3%でした。「自分ごとではない」と感じている方は54.7%です。

出典:大伸社コミュニケーションデザイン「経営メッセージが伝わっている社員はわずか2割」(2026年)

掲げている言葉と、中の実感がずれている例も出ています。

月刊総務が2026年に行った調査では、企業理念に「従業員を大切にする」が含まれる企業は84.0%。一方で、人的資本経営に取り組む企業のうち53.4%が「従業員の実感につながっていない」を課題に挙げました。

出典:月刊総務「従業員の幸せについての調査」(2026年)

外に向けて言っていることが、中では実感になっていない。この状態で外側だけ整えると、入った人との食い違いが大きくなります。

採用の場面で何が起きるかは、「インナーブランディングは採用にどう効く?社内の言葉が揃っていないと起きること」にまとめています。

順番を決める3つの質問

弊社がご相談をいただいたとき、この順番で伺っています。

1. 外に出したい言葉を、現場の人が自分の言葉で言えるか

いちばん確かめやすい質問です。経営層や人事ではなく、現場の方に聞きます。

「うちはどういう会社ですか」と聞いて、サイトに書いてある言葉がそのまま返ってくるなら、まだ自分のものになっていません。言い換えて返ってくるなら、共有されています。

ここで詰まるなら、インナーからです。

2. いま困っているのは「知られていない」か「入ってから違う」か

症状で分けます。

いま起きていること先にやる
応募が来ない、名前を知られていないアウター
入った人が早く辞める、話が食い違うインナー
社内の説明がばらばらインナー

知られていないならアウター、入ってから違うならインナーという分け方です。両方当てはまる場合は、インナーを先にしています。外に出す材料が足りないまま外側を作ると、やり直しになるためです。

3. 動かせない期限があるか

現実的な話です。新卒採用の広報解禁や、展示会の日程など、動かせない日付があるなら、そこに間に合うものから手をつけます。

その場合でも、外に出す言葉は「いま社内で説明できる範囲」に留めます。背伸びした言葉を置くと、後から戻すことになります。

理念の浸透が止まる原因は社内側にもあります。イマジナが2025年に784名へ行った調査では、理念浸透の障壁の1位が「管理職が理念浸透の重要性を理解していない」で47.4%でした。

出典:イマジナ「企業理念浸透の実態と課題に関するアンケート調査」(2025年)

インナーを選んだ場合、誰が旗を持つかを先に決めておくほうが進みます。続け方については「インナーブランディングの施策が形骸化する理由と、続けるために決めておくこと」をご覧ください。

アウターから始めてよい場合

社内の言葉が揃っているなら、外から始めて問題ありません。

むしろ、外に出す作業が社内の整理を進めることもあります。サイトに載せる文章を決める過程で、「うちは結局これだな」と社内の言葉が固まっていく、という動き方です。

求職者が最初に見るのも、会社が自分で出している情報です。Bloomキャリアが2026年に転職活動の経験者767名へ行った調査では、情報源の1位が「企業の公式ウェブサイト」で36.4%。20代に限ると42.3%でした。

出典:Bloomキャリア「大手企業への転職活動に関するアンケート」(2026年)

口コミサイトやSNSは22.8%なので、会社が自分で出す情報のほうが先に見られています。外側を整える価値は、そこにあります。

株式会社Mesign様では、「メディカルで医療をデザインする」という理念を軸に、複数の事業を横断して一貫したブランドをつくりました(株式会社Mesign様の事例)。

まとめ

順番そのものに正解はなく、いま困っているほうから手をつけるのが実際のところです。

弊社はブランドコンセプトの言語化から、サイトの設計と制作までを担当しています。

よくいただくご質問

Q. インナーブランディングとアウターブランディングは、同時に進めてもよいですか。

A. 進められます。ただし、外に出す言葉を先に確定させて、それを社内に下ろす形にしてください。並行して別々に決めると、社外向けと社内向けで言葉が分かれてしまい、後からすり合わせる作業が発生します。言葉は1つ、出し方を2つに分けるという考え方です。

Q. インナーブランディングは、どのくらいの期間がかかりますか。

A. 内容によりますが、言葉を決めるところまでで1〜2か月、社内に行き渡るまでにはさらに時間がかかることが多いです。浸透の部分は施策を続ける話になるため、期間で区切りにくい性質があります。期限がある場合は、言葉を決めるところまでを先に終わらせる進め方もあります。

Q. 社員数が少ない会社でも、インナーブランディングは必要ですか。

A. 必要になる場面はあります。人数が少ないうちは言葉が自然に揃っているように見えますが、採用で人が増えるタイミングでずれが出ます。創業メンバーの間では説明不要だったことが、新しく入った方には伝わらないためです。増やす前に言葉にしておくほうが、後が楽になります。


本記事のように「社内と社外で言っていることがずれている」「どこから手をつければよいか分からない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

Have a look at some of our other news

その他のニュースもご覧ください