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Oct 29,2026

UXとブランディングはどこでつながるか。体験が印象に変わるところ

UXとブランディングは別の打ち合わせで決まることが多く、できあがったものの印象がそろわなくなります。受け取る側は、言葉と使い勝手を分けて見ていません。本記事では、体験が印象に変わる3つの場面と、打ち出した言葉とサイトの文言をそろえるために先に決めておくことを解説します。

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UXブランディングとは、会社が打ち出している言葉と、サイトやアプリを実際に使ったときの印象を、同じものとして設計する取り組みです。

ここでいう「打ち出している言葉」は、トップページに置くキャッチコピーや、採用コンセプトのように、会社が決めて、外に向けて出している言葉です。

ブランドの打ち合わせではロゴやコピー、UXの打ち合わせでは探しやすさや入力の手間が議題になります。別々に進むと、できあがったものの印象がそろいません。

本記事では、UXとブランディングがどこでつながるのかを、体験が印象に変わる場面から整理します。

ブランドの話と、サイトの話が別々に進む理由

いちばん大きな理由は、社内で担当が分かれていることだと感じております。ブランドは経営や広報、サイトは制作や開発と、決める人も場も違います。

ただ、受け取る側はそこを分けて見ていません。UXという言葉の定義自体が、使っているあいだだけを指していないためです。

人間中心設計の規格「ISO 9241-210:2019」は、UXを、使う前・使っているあいだ・使ったあとに生じる利用者の知覚と反応と定義しています。

つまり、使う前に抱いた期待もUXに含まれます。その期待を作っているのはブランディング側なので、会社が打ち出した言葉は、サイトを開く前からUXの一部として働いています。

受け取る場所も変わりました。総務省の「令和7年版 情報通信白書」(2025年公表)によると、2024年にインターネットを利用した端末は、スマートフォン74.4%、パソコン46.8%でした。

会社の印象を受け取る場所が、手元のスマートフォンに寄っているということです。

スマートフォンでは、キャッチコピーを読むことと、ボタンを押して次のページへ進むことが、同じ小さな1枚のなかで続けて起きます。紙の会社案内のように、見せるための画面と、操作するための画面を分けておくことができません。

言葉だけを整えても、読みにくさや待たされる時間が、同じ場所で一緒に伝わります。そのためブランドと使い勝手は、別々に置いておきにくくなっています。

体験が印象に変わるのは、どの場面か

印象が動くのは、文章を読んでいるあいだだけではありません。弊社では3つの場面に分けて考えております。

1つ目は、開いた瞬間です。Google Research が公開した研究「Users love simple and familiar designs」(2012年)では、サイトの見た目を17〜50ミリ秒だけ見せた条件でも、見た目の複雑さと「見慣れた形かどうか」が、美しさの評価に影響していました。

読む前に、印象のほうが先に決まっているという結果です。決まっているのは内容の良し悪しではなく、読み進めてよさそうかどうかです。

2つ目は、動かしたときです。Google が委託した調査「Milliseconds make millions」(2020年公表・欧米37ブランド)では、モバイルの表示速度を0.1秒改善すると、小売のコンバージョン率が8.4%、1人あたりの消費額が9.2%上がっていました。

0.1秒は、意識して気づく差ではありません。それでも行動のほうは変わっています。

3つ目は、うまくいかなかったときです。入力を間違えたとき、探しているものが見つからないとき。ここで出てくる言い方や待たせ方は、うまくいっているときより強く残ります。

受け取る場面読む人が判断していること
1つ目:開いた瞬間読み進めてよさそうか
2つ目:動かしたとき待たされずに進めるか
3つ目:うまくいかなかったとき次も使いたいと思えるか

ブランドは、言ったことではなく起きたことで覚えられていきます。

打ち出した言葉と、サイトの文言に統一感を出すために決めておく3つ

言葉を決めるのは経営や広報、サイトを作るのは制作や開発です。この2つが同じことを言っている状態にするために、先に3つを決めておきます。

1. 打ち出した言葉を、ボタンやエラーの文言まで決めておく

「誠実」「挑戦的」といったトーンの言葉は、方針のままではサイトに出てきません。実際にサイトに出るのは、見出しの言い方、ボタンの文言、入力を間違えたときに出る文章、まだ何も登録されていないページの文章です。

読む人が目にするのはこの短い文言です。ここを決めずに進めると、トップページの世界観と、その先のページの口調が噛み合わなくなります。

2. 表示の速さと読みやすさも、ブランドの一部として考える

表示速度は技術側の課題にされやすく、ブランドの議題には上がりにくい項目です。ただ、0.1秒の差で行動が変わるのであれば、速さも印象の一部です。

「丁寧」と打ち出している会社のサイトが重い、文字が小さくて読みにくい、という状態は、読む人には矛盾として受け取られます。スマートフォンでの見え方は「採用サイトのスマホ対応は、どこまでやるべき?」で扱っております。

3. 迷ったときに、どちらを取るかを決めておく

世界観を強めると分かりやすさが落ち、分かりやすさだけを追うと、どの会社のサイトとも似た見た目になります。

両方を同時に立てようとすると、色やレイアウトを決める打ち合わせで毎回止まります。ページごとに、どちらを優先するかを先に決めておくほうが進みます。

ブランドの雰囲気を保ったまま、UI改善で視認性と操作性を上げた例として「株式会社MOPS様(カジママ)」のケーススタディがございます。

まとめ

UXとブランディングは、担当も打ち合わせも分かれやすい一方で、受け取る側では1つのものになっています。印象は、実際に使ったときの感じで決まっていると考えております。

先に決めておくこと決めないと起きること
ボタンやエラーの文言トップページと他のページで口調が違う
表示の速さと読みやすさ「丁寧」と言いながらサイトが重い
ページごとに、どちらを優先するか打ち合わせが毎回止まる

外から見える印象を何から整えるかについては「アウターブランディングとは?採用で何から手をつけるか」、整えたあとに何を見るかについては「採用サイトの効果測定は何を見るか。応募数以外の3つ」で扱っております。

よくいただくご質問

Q. UXとブランディングは、どちらから先に手をつけるべきでしょうか

A. 打ち出す言葉のほうを先に決めるほうが、やり直しが少なくなります。色やレイアウトの話から先に始めると、判断の基準がないまま好みで比べることになるためです。言葉の合意に時間がかかる場合は、速さや読みやすさのように、どちらに転んでも損にならない部分から先に直す方法もございます。<br><br>

Q. UXを改善すると、ブランドの印象まで変わるのでしょうか

A. 変わる部分と、変わらない部分があります。速さや分かりやすさは、打ち出している言葉への納得感に効きます。一方で、何を大事にしている会社なのかという中身は、使い勝手を直しても出てきません。そこは言葉とコンテンツ側の仕事です。<br><br>

Q. デザインガイドラインを作れば、UXとブランディングはそろうのでしょうか

A. 色やフォントはガイドラインで揃いますが、それだけでは足りないことが多いです。エラーの文章や、何も登録されていないページの文章のように、作りながら出てくる判断が多いためです。見た目の規定に加えて、迷ったときに何を優先するかも書いておくと機能しやすくなります。<br><br>


本記事のように「打ち出している言葉が、サイトに出ていない」「サイトの印象が、会社の雰囲気と合っていない」とお考えの方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。

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