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Mar 26,2025

今更聞けない、インナーブランディングってなんだっけ

インナーブランディングは、企業の理念や価値観を従業員に浸透させ、組織内の一体感やモチベーションを高めるための重要な取り組みです。本記事では、インナーブランディングの定義、目的、具体的な手法、成功事例について詳しく解説します。

Contents/headline

インナーブランディングとは

インナーブランディングとは、企業が自社の理念や価値観を明確にし、それを従業員に共有・浸透させる活動を指します。この取り組みの主な目的は、従業員が企業の目指す方向性を理解し、それに共感を持って主体的に行動することを促すことです。具体的な施策として、社内広報活動、教育研修、報酬制度や人事評価制度の改革などが挙げられます。

インナーブランディングが成功すると、従業員のエンゲージメントやモチベーションが向上し、結果として離職率の低下だけでなく、生産性の向上、顧客満足度の向上、さらには企業全体の収益性の改善といった成果が得られます。例えば、サイボウズ株式会社では2005年の離職率が28%から、取り組みの結果3~5%にまで改善されました。また、ニチレイフーズでは従業員エンゲージメントスコアが68を記録するなど、具体的な成果が確認されています。これらの数値からもわかるように、インナーブランディングは組織内の結束力を高め、生産性や企業価値の向上に直結する重要な取り組みと言えます。

参考:インナーブランディングとは(sofia-inc)

インナーブランディングの目的

インナーブランディングの主な目的は、企業の理念やビジョン、価値観を従業員に浸透させることにあります。これにより、従業員が企業の使命や目標を理解し、共感を持って業務に取り組むことが期待されます。また、従業員のエンゲージメント(企業への愛着や貢献意欲)を高めることで、組織全体の生産性向上や離職率の低下、さらには企業のブランドイメージ向上にもつながります。

参考:インナーブランディングの目的と効果(irischitose)

インナーブランディングの手法

企業理念とビジョンの明確化

企業の理念やビジョンを明確に策定し、全従業員に分かりやすく伝えることが重要です。理念やビジョンは単に経営陣だけが理解している状態では不十分であり、従業員一人ひとりが自分ごととして捉え、行動指針とすることが求められます。具体的な手法としては、経営陣や従業員が共に参加するワークショップを実施し、意見交換をしながら理念を策定する方法や、ブランドストーリーを作成し理念を物語形式で伝える方法があります。また、理念やビジョンを簡潔な言葉や印象的なスローガンにまとめ、冊子や動画などの多様な媒体で展開することも効果的です。さらに、全社集会やタウンホールミーティングを定期的に開催し、直接的な対話を通じて理念の理解を深めるとともに、ホームページや社内イントラネットを通じて理念に関する最新情報を常時共有する取り組みも有効です。

定期的なコミュニケーション

インナーブランディングは一過性の活動ではなく、継続的な取り組みが必要です。定期的に理念やブランドコンセプトを従業員に伝えることは、浸透度を高める上で重要な役割を果たします。具体的には、毎週配信する社内ニュースレターで、経営陣やリーダーのメッセージ、理念を体現した従業員のエピソード、成功事例などを共有します。また、社内SNSを活用し、従業員同士が日常業務で感じた理念に関する気付きや意見をリアルタイムで交換できる場を設けることで、理念を日々の業務に具体的に結びつけることができます。さらに、部署ごとの定期ミーティングでは、日常業務で直面した具体的な事例をもとに、理念に沿った行動や改善ポイントについて議論し、共通認識を深めていく方法も有効です。

社内イベントや研修の開催

実際に企業理念や価値観を体験できる機会を設けることは、従業員が深く理解し共感を持つうえで重要です。具体的な施策として、ワークショップ形式の研修、理念に基づいたロールプレイング、理念をテーマにした社内イベントや表彰制度などがあります。これらの体験を通して、従業員が日常業務と理念をリンクさせることが可能になります。

リーダーの育成と巻き込み

企業の理念を浸透させるには、経営陣やリーダー層が率先して理念を体現し、その姿勢を従業員に示すことが不可欠です。リーダー層向けの研修やコーチングを通じて、理念やビジョンに沿ったリーダーシップを育成します。例えば、リーダーが理念に基づいた行動を積極的に評価される制度を導入するなど、具体的な仕組みづくりが効果的です。

参考:インナーブランディングの具体的手法(moneyforward)

インナーブランディングの成功事例

スターバックスジャパン

スターバックスジャパンは従業員を「パートナー」と位置付け、企業理念の浸透に積極的に取り組んでいます。​具体的には、入社後に80時間の研修を実施し、コーヒーの淹れ方や商品知識だけでなく、ブランドの歴史や企業哲学、顧客サービスのあり方まで徹底的に教育しています。 ​また、週20時間以上勤務するパートタイマー全員に健康保険を付与するだけでなく、従業員持株制度(ストックオプション)を設けています。この制度では、一定期間勤務を継続したパートナーに対し、自社株を割引価格で購入できる権利を提供しています。この取り組みにより、従業員が企業の成長と自身の利益を具体的に結びつけて考えることができ、企業への帰属意識やモチベーションの向上に寄与しています。 ​これらの取り組みにより、従業員の定着率が高く、質の高いサービス提供が可能となっています。

参考:スターバックスの企業理念(starbucks)

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、従業員が多様な働き方を選択できる環境づくりを通じて理念を浸透させています。具体的には、社員が自ら働く時間や場所を自由に決定できる仕組みを導入し、リモートワークや時短勤務を柔軟に取り入れています。また、「100人いれば100通りの働き方」というスローガンの下、社員一人ひとりの意見を定期的に取り入れ、施策に反映しています。特に、2005年には離職率が28%と非常に高い水準にありましたが、これらの働き方改革の取り組みを徹底することで、現在の離職率は3〜5%程度にまで改善されるなど、具体的な成果を挙げています。また、定期的な社員アンケートの実施や意見の反映を通じて社員満足度も大幅に向上しており、満足度調査では約90%以上の社員が現在の働き方に満足していると回答しています。

参考:サイボウズの働き方改革(cybozu)

株式会社ニチレイフーズ

株式会社ニチレイフーズは、従業員の主体性を高めることを目的に「ハミダス(とらわれず、明るく)」という理念を掲げ、積極的なインナーブランディングを展開しています。具体的な取り組みとして、「あぐら」と呼ばれる経営層と従業員の直接対話の場を設けています。この「あぐら」では、経営層が理念やビジョンを明確に伝え、従業員から現場の生の声をフィードバックとして吸い上げる仕組みとなっています。また、社内動画メッセージの活用や従業員主導型の企画の推進により、従業員自身が企業理念を体感し、自ら発信することで、組織内のコミュニケーション活性化とモチベーション向上を実現しています。これらの施策により、2023年度の従業員エンゲージメントスコアは68という良好な数値を記録しました。これは、同社が設定した目標値(65)を上回ったものであり、着実な効果を示しています。

参考:ニチレイフーズのインナーブランディング(nice2meet)

まとめ

インナーブランディングは、企業が持続的に成長するために欠かせない重要な取り組みです。理念や価値観を明確に定義し、それを従業員一人ひとりが日常の業務の中で実践できるようにすることで、組織全体の結束力やモチベーションが高まり、生産性向上や離職率の低下といった具体的な成果をもたらします。本記事でご紹介した具体的な手法や成功事例は、各企業が独自の課題に対して柔軟に対応し、従業員の共感と行動変容を促した結果です。インナーブランディングは単なる施策ではなく、企業が持続可能な競争力を確保し、組織文化を強化するための戦略的なアプローチです。自社の状況に合わせて手法を選択・組み合わせながら、継続的に取り組みを改善し、従業員のエンゲージメントや企業価値のさらなる向上を目指しましょう。

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